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クレジット与信に関する審査の基準

その前に、本来の与信というものはどういったものだったかを振り返ってみます。すっかり過去のものになっているかもしれませんが、クレジット与信に関する審査の基準としてクレジットの3Cがありました。①character(性格)、②capacity(能力)、③capital(資産・担保)の三つです。まず、①character(性格)は、真面目に返済する気があるかどうかを見極めようというものです。返済はできるのに凡帳面さが欠けて、いつも支払い期日に遅れる、こういった人は避けたいので審査項目になっています。

三〇年ぐらい前ですが、その人宛てに来た年賀状の枚数で与信する消費者金融会社がありました。年賀状で何を見たかというと交友範囲です。もちろん誰と付き合っているなどということではなく、たくさん年賀状が来る人はしっかりした性格の人だろうと判断したわけです。もちろん今は、こんな審査はできません。②capacity(能力)と③capital(資産・担保)は個人信用情報の分野です。まず②capacity(能力)ですが、月々の返済を滞りなく行うには、安定した会社に長い期間勤めているほどその確率は上がります。

クレジットの申込書に勤務先や勤続年数を書く欄がありますが、これを調べるためのものです。③capital(資産・担保)は、不動産の有無が基本的には対象になります。持ち家か賃貸かでは、住宅ローンはさておき資産価値が「有」と「ゼロ」ですし、サラリーマンの場合は退職金もある種の資産になります。退職金を返済に充てるというのは非常事態ですが、不動産を担保に取ったり返済に充てることはないわけではありません。今回の法改正のきっかけとなった埼玉県富士見市の認知症姉妹の場合の与信は、まさにこれです。

手持ちの現金を住宅リフォームの販売で次々使いきってしまいクレジット契約を利用したわけですが、クレジット会社がノーマルに審査したのでは、おそらく与信は不可能だったと思います。収入といえば年金だけで、年齢も年齢です。万一に備えた担保として不動産があったために与信できたのです。このケースは特殊ですが、申込書に書かれた情報に点数を付けて審査するのが従来は一般的でした。スコアリングと名づけられたこの審査の方法は、申込者の表の顔を見るにはいい方法ですが、どのくらいクレジットの利用をしているのかとか、返済の状況まではわかりません。それで登場したのが個人信用情報機関です。