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一九八四年改正

割賦販売法は特別法といわれているものです。上位の法律は民法ですが、そこで決めている民事ルールを特別法は別扱いします。例えばクーリングオフは、民法の原則からいえばあり得ないことですし、期限の利益喪失条項も同じです。それがなぜ可能になるかというと、消費者保護という大きな目的があるからです。ただし何でも特別法が適用になるのでは、社会の根幹にある民法などの法律の意味がなくなってしまいます。そこで適用に当たっては範囲を厳密にするために、規制する取引を定義で明確にします。割賦販売法第2条(定義)のことです。この規定ではクレジットをめぐるトラブルを規制し切れなくなったので行われたのが一九八四年の改正です。

最も大きな改正ポイントは、消費者トラブルの源泉ともいえる個品割賦を法律の適用範囲に入れて、支払い停止の抗弁を新設したことです。しかし、この規定を法律に盛り込むには、定義に個品割賦がなければなりません。当時の法律は、チケット・クーポン(クレジットカード)を規制するためのものですから、三者間契約とはいっても「証票」(カード等)の発行がなければ適用除外です。昭和三十四年通達から発展したこの規定によって、カードを発行しない個品割賦が生まれたわけですが、その個品割賦のコントロールが利かなくなって法改正になったわけです。一九八四年の割賦販売法の改正の主なポイントは以下のとおりです。

①個品割賦と呼ばれていた三者間契約取引を割賦販売法の定義に加えた。

②それに併せて三者間契約について支払い停止の抗弁を導入した。

③リボルビングについても解釈があいまいになつていたものを割賦販売法の定義に加えた。

他にも細かい改正点はありますが、この改正で重要なところは以上です。