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特異なビジネスモデル

さて、訪問販売会社と信販会社の提携によって、クレジットの取扱高は急激に伸びましたが、このショッピングクレジット(以下「個品割賦」といいます)といわれる取引は法律の枠には入っていませんでした。当時の割賦販売法の定義では、三者間契約はクレジットカードの場合のみが規制の対象になつていて、法律制定後に出てきた個品割賦は対象になっていなかったのです。そのことによっていろいろ問題が起きました。消費者が買い物をする相手は販売店で、ここでは売買契約が結ばれます。

支払いをするのはその代金を立て替えた信販会社です。すると買い物をした商品に問題があった場合に、支払いをストップするという対抗手段が取れないのです。民法では同時履行の抗弁権を認めていますが、それはあくまでも二者間契約のことであって、信販会社が介在した場合のことを想定していないので、いくら商品に蝦庇があろうと支払いを続けざるを得なかったのです。行政も手をこまねいていたわけではありません。今は使われなくなった通達が何度も出されました。関連の通達の出された時と名称を一覧にしておくと、次のとおりとなります。

①「個品割賦購入あっせん契約をめぐる消費者トラブルの防止について」(一九八二年四月十三日)

②「個品割賦購入あっせん契約に関する消費者トラブルの防止について」(一九八三年三月十一日)

③「加盟店管理の強化について」(一九九二年五月二十六日)

④「割賦購入あっせん業者における加盟店管理の強化について」(二〇〇二年五月十五日)

⑤「割賦購入あっせん業者における加盟店管理の強化・徹底について」(二〇〇四年十二月二十二日)

⑥「特定継続的役務提供契約に係る割賦販売法第30条の4の適用等について」(二〇〇七年七月三日)

では、なぜこのように問題が大きくなってきたかというと、売り方がどのようなものであれ信販会社が本当に買いたい人にだけ与信していればそれほど大きな問題にはなっていなかったように思います。経済力がある人であれば、仮に後悔の伴う買い物であってもそのまま払ってしまうかもしれないからです。第三者的には泣き寝入りすることはないという見方もありますが、当人は案外いい勉強をしたと思っていることもよくあります。

したがって問題が大きくなった原因は、今昔いたようなこととは逆のことが起こったからです。クレジット会社の与信の原則である消費者の信用力をまったく無視して契約を結びだしてしまったのです。では、その消費者が返済不能になると信販会社は大損をするように思われるかもしれませんが、そうはならない仕組みがあったのです。それが加盟店与信といわれるものです。つまり、ある加盟店で販売された商品について信販会社は、個人の信用はほどほどに審査して、ほとんど契約を結んで代金を立替払いするのです。

不払いが起きた場合にどうするかというと、当該代金を加盟店から返金する仕組みができあがってしまったのです。つまり消費者との売買契約を(合意)解除して、立替払いも解除してしまうわけです。その結果、信販会社の競争は激化し、与信はどんどんダンピングされをした。それはさらに悪質な販売につながって、訪問販売の問題はイコール信販会社の問題とまでいわれるようになったのです。それがピークに達したときに法改正が行われました。それが、大改正となつた一九八四年改正です。